ZERO-ONE OFFICE 伊藤正さん|ユルツナ大学

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Q:最近は様々な業者がコーポラティブハウスに参入しているように思います。ゼロワンオフィスは先駆者としてどのような特長があるのでしょうか?

 私たちの原点は“みんなの望むものをきちんと実現させること”だと考えています。本業が設計事務所ですので、住まいの持つ品質には拘ってきたように思います。他の建物を見ていて“住まいとして当たり前のことがきちんとやられているのか”と疑問に感じることが多々あります。奇抜なアイディアや話題性を求めるのではなく、シンプルで、質実剛健で、断熱性能もしっかりしていて本物の素材を使い、構造的な合理性もあるなど、こうした住まいとして当たり前のことをきちんとしているものはなかなかないと思うんです。そういうことに確実に答えていく事が私たちの原点であって、その結果が“みんなが望むもの”になりうると思っています。

 次にコーディネートについて話しますね。コーポラティブハウスは土地を探すところからはじまり、みんなで妥協点を見出しながら何度もワークショップをやってというプロセスを負担に感じる方もいらっしゃいます。ゼロワンではそういうプロセスを確実にコーディネーターが調整していき、入居する人は拘りたいところ、もしくは共用部に対して意見を言って頂くだけで自分たちのコーポラティブハウスを建てられるようにしていきます。戸建のように設計者とパートナーを組んで、自分の家をつくっていくような楽しみを感じて頂けると思っています。

 入居者間の場所決めや床面積の調整等はガイドラインに沿って行う事で、入居者同士の調整をスムーズに進めることができます。逆に入居者同士で話し合うよりもこちらに任せていただいたほうが、すっきりとしたきれいな建物になると思って頂いていると感じています。

 また設計とコーディネートを一緒にやっている会社というのも、一つの特徴かもしれません。例えばコーディネート専門会社というのは企画して人を集めて、プロジェクトが始動しだすとそれを一区切りとして次のプロジェクトに移っていきます。ゼロワンオフィスはそこから設計をして工事監理まで含めて1年半から2年という期間関わっていきます。こうした長い期間においてコーディネートと設計、工事監理を統合的に進めていくことで高いクオリティコントロールが可能になります。

Q:コーポラティブハウスならではの“ハード”の在り方はなんでしょう?

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「J-alley」のエントランス(左)とアレイ(右)。アレイはヨーロッパのようなとても素敵な雰囲気

 私たちが手掛けた「J-alley(ジェイアレイ)」というコーポラティブハウスにはプライベートなアレイ(小道)を設計しました。アレイは外廊下やエントランスホールの代わりになるものですが、入り口を入ると小さな町の様な雰囲気を感じてもらえると思います。こうしたいつも使う空間を魅力的なものにすることで、ちょっとした挨拶が交されたり、パーティーが行われたりなど入居者同士の交流が生まれると思っています。交流スペースを特別に用意したり、また用意周到だったりすると結局使われないですからね。また、入り口は敢えて格子戸にして周辺地域とのつながりをもたせるようにしています。

J-patio(ジェイパティオ)
端正なファサードをもつ「J-patio」。ドラマの舞台にもなったそうです。

 もう一つは「J-patio(ジェイパティオ)」を紹介したいのですが、パティオというのは中庭のことですね。このパティオも玄関に続いていて日常的に使う空間にしています。「J-alley」のアレイと同じ効果を期待したものです。そもそもアレイもパティオも、そこに面していない住戸はないんですよ。そうすることで、使われなくなるということがなくなります。そしてアレイやパティオなどの共用スペースは建築面積には入らないですよね。コーポラティブハウスは建物の設計をしているといいながら、建物と建物の間に生まれた外部空間もトータルに設計していく。これにより様々な最適化が図れます。そして入居者にとってはアレイやパティオなど共用のプラスアルファの空間を持てる。こうしたことがコーポラティブハウスならではだと思いますね。

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「J-patio」のエントランス(左)とパティオ(右)

 あとハードではありませんが、工事が始まる前から入居者専用のネット掲示板を立ち上げて自由に意見交換をしてもらったり、地鎮祭や上棟式の後にはみんなで食事をしたり、何かしら交流する機会をつくるようにしています。そうすると、あとは我々の手を離れて入居者同士で交流が生まれていきます。


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