ZERO-ONE OFFICE 伊藤正さん|ユルツナ大学

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Q:改めて、コーポラティブハウスはどう定義できるのでしょうか?

 やはり“コーポラティブ(意:協力的な 協調的な 協同の)”という名前が示す通り“入居者たちが共同で建てる”ということでしょう。力を合わせて協力しあって、自らが主体となって進めていく。逆にそれ無しでは成立しない。原点はそこだと思いますね。ですからコストが透明であるとか、自由設計であるとか、いろいろな表現がありますが、そういったものは派生的なメリットであって、根底にあるのは“共同で建てる”ということなんだろうと思います。

Q:共同で建てるコーポラティブハウスの大きなメリットはなんでしょうか?

 1人で出来ない事でも集まると出来るのがコーポラティブハウスなんです。例えば1億円の土地があったとしましょう。そして、そこにどうしても住みたいんだけれども、1人で1億円出して1軒家を建てるというのは非常に難しい。土地を分割するか複数の建物を建てればコストも分散できるんですが、法的には道路に接しているところが2mしかないと1つの敷地に1つしか建てられなくて且つ分割もできない。

 そこに人数を集めて共同住宅を建てることにする。例えば5人で買えば1人2,000万の土地の負担で、あとは建物代だけで住む事ができる。しかも2〜3階建てにするなど  敷地を効率的に使えば、皆で広い庭を共有できる。敷地内の全ての建物の風の抜け具合、日当りなども考慮して環境適正を図っていけば光熱費の削減になる。このように、一人ではどうにも手の出しようがないといった時にこそ、コーポラティブハウスは有効なんです。しかも複数の建物を統合的に設計する事で様々なメリットも生まれてくる。原点はそこではないかと思うんですね。

Q:コーポラティブハウスを受注されていく中で、当初考えていたことと異なる面はありましたか?

 実は始める前までは、人と一緒にやるという事に対して少し面倒な部分もあるだろうと思っていました。そして参加されているみなさんの中にも、そういった気持ちを持っていた方がいたようです。ただ共同で土地を買ってゼネコンに発注し現場を進めていくという共同作業をしていく中で、共同でやる楽しさというか、コミュニティが自発的に生まれてきたんです。建設が終わる頃には既に友人になっている。コーポラティブハウスの一番の魅力はコミュニティなんじゃないかと感じるようになりましたね。

 今後、コミュニティには大きな可能性があると思っています。以前は隣が他人という生活が気楽でいいという感覚があったと思うんですが、阪神大震災以降、コミュニティなどの人のつながりはとても大切は事なんだと、私たちは認識したのではないでしょうか。更に今度の震災で、再度見直されるように思います。いわゆるドライな都会的なものより、例え都会に住んでいたとしても、人と人のつながりが住むということにおいて大切なんだと。でも昔の長屋のようにあんまりべたべたした密着型ではなくて、ゆるいつながりが必要だと思います。例えドライな隣人関係だったとしても顔をきちんと知っていれば、防犯上や暮らしていく上での安心感にも繋がるなどいろんなメリットがあると思いますね。

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Q:コーポラティブハウス以外に、コミュニテイをテーマにした事業展開は考えていらっしゃいますか?

 いろいろ模索している段階です。例えば、団塊世代の先輩達の生活ぶりを見たり聞いたりしていると“友人同士で生活する”っていうのがあるだろうと思っています。人とのつながりというのは、結婚してから子供が巣立つまでは、それぞれの家族が中心ですよね。ただそれから子供たちが巣立っていくと、今度は同窓生とのつながりが増えてくるようなんです。50歳、60歳など年齢を重ねるに従って、それがもっと増えてくる。歳をとればとるほど、家族だけではなく、古くの友人であったりとか、隣人であったり、地域であったり、そういう人とのつながりを再び求めだすようなんです。

 元々人間って集まって住む生き物ですよね。だから村があり町があり、例えどんなに山奥に入っていっても集落がある。1人がいいんだったら山奥に独りで住めばいいんだけど、そんな人はほとんどいなくて結局は集団で暮らす。ですからそれにあった建物を用意してあげれば、とても自然な暮らし方になると思うんですよね。



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