studio-L 山崎亮さん|ユルツナ大学

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Q:コミュニティーをつくるときに、そこに参加している人達の動機づけをしないとなかなか活性化しないし、持続維持もしないと思います。また、山崎さんが外から来られた時に、外から来た人に対して戸惑いを感じる方もいらっしゃると思うのですが、どのように進めていらっしゃるのでしょうか?

 立場としては”よそ者”をつらぬくこと。そこに長く住み込んで村の一員になりましたという風にはしない方がいいと思っています。定型パターンとしては、まずヒアリングをします。地域のキーマンを紹介してもらってヒヤリングを行い、その人が面白いっていう人を紹介してもらって、またその面白い人のところにいってヒアリングします。さらに面白い人を3人紹介してくださいといって、どんどんその地域で面白い活動をしている人達と結びついていくようにします。

 ヒアリングっていうと情報を得るために行くと思うんですが、直接ヒアリングに行く事のメリットって両方ありますよね。磯村さんたちもこうやってインタビューするって言うのは、インタビューされる方の情報を得るだけじゃなくて、友達というか関係性をつくるためのすごくいいきっかけですよね。僕らもまったく一緒なんですよ。地域に入った時にヒアリングしますって企画書に書くと、行政側としては「ヒアリングもいいけど、もっと沢山の人の意見を聞くためには効率よくアンケートの方がいいんじゃないか」と言われるんですが、それだと友達にはなれないんですよ。

 まどろっこしいけれど、やっぱり1時間ずつアポとって話を聞かせてもらって、相槌打ったり、僕はこう思うんですけどというように話をする中でいい関係をつくっていきます。それであとで電話して「今度コミュニティ作りに関して、こんなことやるんですが絶対に来てくださいよ」っていう風に頼める関係性をまずはつくること。

 ヒアリングと称して、その地域の人間関係だったり、資源だったり、大事な事を聞き出しつつ友達になっていきます。だいたい50人くらいの人達にヒアリングをすると、その地域でどういうことが困っているかがわかる。その50人のうち、どの人がどういう感じの人か、どの人が怒りっぽいか、どの人は大人しいけれどすごく大事かっていうのを見ていきながら、はじめてワークショップをやりますって告知しますね。

 ヒアリングしなかった人も含めてワークショップの告知をするんですが、往々にしてワークショップとかまちづくりとかが好きで、何か意見を伝えたいっていう活発な方々が半分くらい来るんですよ。一般的なワークショップでは、そういう人達だけを相手に行うんですね。ただ僕らは告知した後に必ずキーマンだったり面白そうなことをやっている人達に電話などで「ワークショップやるから来てください」って直接誘うんですね。残り半分はもちろん公募で来た人達なんですが、残りの半分はダイレクトに声を掛けて来てもらう。声を掛けないと来ない人達は「ワークショップやります」って言っただけでは来ないんですよ。でも、実はこの来ない人達がキーマンで、その場所の中で面白いことをやっている人が多いんです。この人達にいかにワークショップの場に出て来てもらうか、そして極力落ち着いた客観的な発言をしてもらうかどうかが結構大事な気がしますね。そうしないと、住民参加型といってもまちづくりの好きな一部の人達の意見じゃないかって言われちゃうし、事実そうなりがちなんですね。そういう人達だけで作っちゃうとどうしても極論になってしまって、結果みんなが受け入れにくいプランになっちゃう。

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 そもそも地域のキーマンというのは地域の自治会長とかだけじゃなくて、地域でコミュニティカフェをやりたいとか、若い人達の間でいろいろ面白いことやりたいと思っている人達も大切です。そういう人達が直接結びついてワークショップに来てもらうようにします。そうすると年齢層もばらけるんですね。若い人って忙しくて、行きたいけどそんなの行けないよっていう人達がいる。その人達をどこまで呼び込めるかが大事なんです。そうやって15~71才くらいの幅のあるワークショップをつくったり、いろんな居住暦だったり、もともとずっと住んでいる人とか、途中で引越してきたりした人達とかもいろいろ混ぜていきます。

 そういう人達でワークショップをやって結果50人なり100人集まった人達を、次の段階では小さなチームにしていきますね。10人以下のチームをいくつか作って、その人達だけで何か話が進められるような方法、例えばKJ法だったり、ブレインストーミングだったり、ワールドカフェだったりとかいうのを知ってもらって、僕らがいなくてもその人達だけで解決したり議事録つくったりとかができるようにしていきます。そういうのを2年くらいかけて一生懸命作っていく。

 あとテーマ設定も結構大事です。例えばテーマが福祉だったらそれに興味のありそうな人達の顔を思い浮かべたり、環境、産業、人材、デザイン、アートなど生活全般についてのテーマなら集まる人に偏りがないかどうかチェックして、またテーマ毎のキーマンを擬似的に配置したりして十分調整をした上でワークショップの場に持っていきます。

 またテーマ自体はこちらから設定するのではなく「地域の課題はなんなのか?」「地域の特長はなんなのか?」という話をまず聞いて、それを整理し「皆さんどういうことに興味ありますか?」って聞きながらキーワードを出していきます。僕らは、事前に想定したキーワードがワークショップでちゃんと出てきているのかを確認するんだけれども、みんなから出てきてないものを出してはダメなんです。あの人はアート系が好きなので絶対にあのテーマを出してくるかなとか、あの人は福祉系に問題意識があったのでそれに関するものが出てくるかなとか想定しつつ、出てこなかったら「こういうのはどうですか?」と声を掛けてみて「あっ、そうそうそれ必要だよ」ってことになったら、それから出す。逆に「それは別に必要ない」って言われたら、この人はこれに興味がなかったんだってことでそのキーワードはやめておく。最後の何時間後にその日に出たキーワードをみんなで納得してもらう。ただ想定していた6つのキーワードのうち5つしか出てこなかった場合は、その場で出てきたもう少し大事そうなキーワードに入れ替えて、みんなに聞いてみる。そうやって意見を聞きながらテーマを作っていって、最後にテーマ毎のチームを作って「これから活動していきましょうよ」って話をします。そうすると、案の定そのキーワードで入りたいと思っていた人達がキーマンとしてそこに入っています。またそれぞれのチームが同じぐらいの人数になるように、年齢構成とかも配慮しながらチームを作っていきます。

 そこから後はアイスブレイクをやったり、チームビルディングをやったり、それぞれの役割分担をチームの中で決めていきます。もともと自分達がこういうことをやりたいとか、もっと良くしたいということから集まっているんで、こちらから情報と刺激を提供していくと「えっ、こんなものもあるんだ」とか「エコビレッジってこういうものなんだ」とか自分達でモチベーションを高めていきます。こうして彼らが自分達自身で情報収集をしたり勉強したくなるような雰囲気作っていきます。これでそれぞれのチームが動き始めるとかなり大きな力になりますね。


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