都市環境研究所 田島寛子さん|ユルツナ大学

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Q:田島さんご自身では、地域のコミュニティにおいて何か取り組んでいらっしゃいますか

 学生時代にNPO活動に参加し、現在も地元でまちづくり活動に取り組んでいます。
まず学生時代には、まちづくり市民活動を支援する学生NPO「場助っ人(ばすけっと)」の活動に加わりました。大学で学んだ都市計画・建築・環境の知識を地域の人々が困ったことを解決するために活かせないか、そして自分たちも勉強する。そのような思いから市民活動の現場へ出向き、住民の方と一緒に議論し、解決策を見つけていくような支援活動を実費を負担していただきながら行っていました。そして、今は産休・育休の期間を活かして、念願だった地元である千葉県松戸市でまちづくりに関わりはじめました。最初は、市の総合計画の検討のために設置された「まつど未来づくり会議」に公募委員として参加し、福祉部会長を務めました。そこでは、多様な年代の方、様々な取り組みをされている方とつながりをつくることが出来ました。また、出産後は、地元の子育てNPO(NPO法人松戸子育てさぽーとハーモニー)に参加してホームページ(松戸子育て情報サイト「まつどあ」)の記事作成に携わりました。

 先月ですが、様々な方にご協力頂き、市内にある親子で遊べる広場などを紹介する「赤ちゃんと一緒におでかけしよう!市内にあるおやこの広場等の紹介」チラシを作成することが出来ました。地域の様々な人と集まって活動すれば、暮らしやすい地域を少しずつ、つくっていけることがと出来ると実感しました。地元の取り組みを通じ、新しい友人も増えています。また、子育てで地元に戻ってきている幼馴染とも一緒に何かかやりたいですね。

Q:地域でコミュニティを作っていく上での大切なことはなんだと思いますか?

 日頃から、自分の関わりやすいテーマや地域で、コミュニケーションを図ってみることが大切だと思います。まず、コミュニティにはテーマ型と地域型の2種類あると思うんですね。学生時代に論文の題材にした埼玉県にある「見沼田んぼ」を例に話します。ここは、畑や田んぼ、樹林等の残る約1260ヘクタールもの緑地空間です。そこで、耕作されていない農地を地元のNPOが県から借り「米づくりをやりませんか?」と市民に広く公募し、毎年体験水田を実施していました。徐々に参加者も増加し、耕作する田んぼも拡大していきました。ここでは、お米をつくるというテーマで地元農家、NPO、市民がつながり、農地を守り残すということが達成できました。それまでその場所には関係のなかった人がテーマをきっかけにつながっていく。そのことで問題が解決していくというのが非常に面白いと思うんです。特定の地域に、テーマを設定して人が集う例です。

tajima_6.jpg 人の中には、自分の暮らす地域の問題の方が関心が高い人もいますし、興味のあるテーマの方が参加しやすい場合もあると思うんですが、この二つの要素があれば、より多くの人たちが集まり、コミュニティも長続きすると思うんです。コミュニティについて、学生時代に議論して思ったのですが、コミュニティに対する考え方は人それぞれ。私の場合は、地域にコミュニティがあることが幸せだと思うんですが、それが煩わしいと思う人もいる。学生だったからかもしれませんが、地元のコミュニティに関わらずとも、日々の生活を淡々と暮らせることが幸せと思う人もいた。べったりする必要はないけど、挨拶はする、何かあったときには、集まることが可能な程度のコミュニティはベースとして持っておくべきだと思います。そのためにも、まずは、自分の関わりやすいテーマや地域で、コミュニケーションを図ってみることが大切だと思います。

Q:これからのお仕事について田島さんの思いを聞かせてください。

 現在の状況を変えていきたいという思いのある都市、地域の方々と仕事をしていきたいです。都市の問題は複雑になるばかりですが、問題意識を持った地域の方々が主体となってまちの活力を作り出していくことが大切だと思うのです。そのような取り組みを通じ、現在の都市の問題を解決できるように思うのです。そこを私たちがどう支援できるかというような発想で仕事ができると面白い。行政の代理として地元に入っても、地元に問題意識がなければ幾ら働きかけても仕方がない。地元が問題意識を持っており、それを支援するのが理想です。我々が入った際、ある程度、ベースとなるコミュニティがないと、話し合い自体が成立しないんです。また、そういうコミュニティが存在する地域の方が、いざというときに強いと思います。自分たちが暮らしやすいと思う環境を考え、自分たちの意思で集い、行動を起こす。まずは、自分、そして自分達、少しずつ周りに視線を広げて、その延長で地域についても考えられると気持ちに無理がなく取り組みが長続きすると思います。


本日は長い時間どうもありがとうございました。

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 私たちの暮らしというのは、その住居の中だけに留まらず周辺の環境も含めてのものでしょう。地域の方々と一緒に活動するというのは、自分たち自身の暮らしに、何かしらつながるものなのだと思います。”つながりある暮らし”は、自分自身の暮らしをよくするための手段、というように考えれば、より前向きに活動できるのかもしれません。また、その地域において、当事者ではない外部の方がいるからこそ、より客観的にいろいろな気づきが得られることもあるように思います。田島さんのようなコンサルタントの方々と一緒になって地域を考えるのも合理的な方法のように思います。

ユルツナクルー イソム、マイ


田島 寛子
株式会社都市環境研究所
技術士(建設部門:都市及び地方計画)
福祉住環境コーディネーター2級

2002年 芝浦工業大学システム工学部環境システム学科卒業。2004年 同大学院建設工学修了。学生時代「まちづくり市民活動を支援する学生NPO「場助っ人(ばすけっと)」の設立に加わり、事務局長を務め、地域住民とまちづくりに取り組む。2004年 都市環境研究所に入所し、現在は主に「都市計画マスタープランやまちづくり条例、地区計画などのベーシックな都市計画業務」、「温泉地や中心市街地、地方の再生、景観・街並み整備のルール・計画策定業務」、「ユニバーサルデザイン検討業務」に携わる。2010年5月より産休・育休を経て、2011年4月に復帰。また地元千葉県松戸市にて地域活動を開始。総合計画の検討のために設置された「まつど未来づくり会議」に公募委員として参加、福祉部会長を務める。また「NPO法人松戸子育てさぽーとハーモニー」が松戸市と恊働事業で開設している「松戸子育て情報サイト まつどあ」のホームページの記事作成に携わり、市内で展開する子育て広場のチラシを作成する。


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