スコットランド「フィンドホーン」|ユルレポ海外

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心と心、心と自然がつながる豊かな時間
スコットランド「フィンドホーン」

社団法人フェアトレードタウンジャパン理事
おかげさまカフェimacocoの企画運営スタッフ
内田 陽子

 2010年8月の2週間、英国スコットランド北部にある「フィンドホーンに滞在してきました。「フィンドホーン」は1998年に国連からNGO認可された生活共同体(コミュニティ)です。このコミュ二ティの特色はなんといっても「スピリチュアリティ」がその共同体の根幹にあること。世界中にスピリチュアルなエコビレッジは数多くあるようですが「フィンドホーン」はその歴史からいっても、規模からいっても「世界で最も有名なスピリチュアルなエコビレッジ」といっても過言ではないでしょう。そこにいくと”人生が変わってしまう”そんな経験をする人がたくさんいるようです。そんな噂を耳にした私は、スコットランドの北の果てまで一人ではるばる出かけていったのでした。

フィンドホーン建屋の写真です。 1962年、創設者であるアイリーン&ピーター・キャディ夫妻と友人のドロシー・マクレーンがフィンドホーンという小さな村に1台のトレーラーを置いて生活を始めました。アイリーンが内なる神からのガイダンスを受け取り、ピーターが実践していき、ドロシーが植物のディーバ(えんどう豆の精霊)からメッセージを受け、その通りに菜園や防風林、花壇を作っていきました。その1年後、貧弱な砂地に、18kgのキャベツ、27kgのブロッコリーが実りそれが国内外で奇跡の土地と知れ渡るようになり、土壌学者までもが調べに来るようになりました。しかし、どう調査をしても、その理由は分かりませんでした。これらの事を聞きつけた人達が、世界中から訪れるようになりコミュニティとなっていきました。

 このような不思議な魔法を持つ「フィンドホーン」は、500人規模の大きな共同体として人々が生活しているだけでなく、世界中から人を受け入れるセミナーハウスの機能を持っています。1975年にコミュニティは「フィンドホーン財団」となり、慈善教育財団として法的に認められ、毎年2回開かれる国際会議では環境、代替医療、芸術や音楽などの多彩なテーマで各国から講師を招き、学びと交流の場となっています。また、環境的側面では「ツリー・フォー・ライフ」という植林プロジェクト、自然と調和した家を推進する「エコビレッジプロジェクト」また風力発電や水の浄化システムなど様々なプロジェクトが進められています。

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 いろんな側面を持っている「フィンドホーン」ですが、今回は短期滞在者としてプログラムに参加した経験を踏まえて「フィンドホーン」をお伝えします。私が参加したのは、初めての滞在者が必ず参加する「入門編」の一つ「Exprience Week」という1週間のコースと、その次に続けて行われる「Spritual Practice」というコースの日本人向けバージョンの特別プログラムです。参加者は北海道から九州、はてはアメリカ在住の方まで、世界中から約20名の日本人20代から60代まで、その内 8割が女性でした。コースにはさまざまなアクティビティが用意されていてかなり盛りだくさん。みんなでゲームやダンスをしながら仲間との深いつながりを感じて行くワークショップがあったり、瞑想の時間があったり、森を散歩して自然の精霊とコミュニケーションを取る時間があったり。また週に10時間程度、コミュニティの中で労働する時間もあります。

Findhorn_4.jpg この共に過ごす時間の中で、一番印象的だったのが「アチューンメント」というセレモニー。セレモニーというとなんだか宗教的な印象がありますが、フィンドホーンは、特定の宗教を信仰しているわけではなく、あらゆる宗教、信念を持っている人々を受け入れています。この「アチューンメント」を、ありとあらゆる行事、作業の始まりと終わりに行います。みんなで輪になり、手をつなぎ、深呼吸して心を落ち着かせ、共に過ごす時間が有意義な時間になるよう精霊に祈りを捧げるのです。これを行う度に、ざわめいている心が自然と落ち着き「今、ここ」に自分自身を100%集中させ、その場にいる皆の心を一つにすることができるようになります。「フィンドホーン」で最もスピリチュアリティを感じるのは、この「アチューンメント」でしたが、特に「スピリチュアリティを学ぶ」という時間なく1日の中に何度となく行われる「アチューンメント」の祈りを通して「生活の中にスピリチュアリティが溶け込み、自然と身についていく」という感じでした。

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 また、プログラムの中で何度も行われるのが「シェアリング」です。一同が輪になり、それぞれが「今、ここ」で感じていることを次々に話していく時間です。自分の弱い面や悩みなどを分かち合っていくのですが、そうやって自分の中にあることを言葉に発して、お互いを受け入れていく中で、自分の心が自然と落ち着いたり、新たな発見や気づきがあったり、互いの心の中に絆が生まれてきます。

 これは帰国後、ワールドカフェのファシリテーション養成講座に参加者して気づいたことなのですが、この「シェアリング」は「対話」を生み出す「場づくり」と共通していたことでした。このような「対話」の時間を家族、学校、会社、コミュニティで持つことができたら、私たちはもっと温かみのある関係性を築いていけるのではないかと感じています。高名な先生に教えを乞うのではなく「答えはいつでも自分の中にある」という大切なことを自然の中で仲間とともに過ごしながら思いおこす。そんなとても素晴らしく美しい時間でした。


ユルツナクルー、ヨーコちゃんの写真内田 陽子
社団法人フェアトレードタウンジャパン理事
おかげさまカフェimacocoの企画運営スタッフ


長崎大学環境科学研究科修士課程卒業。学生時代にフェアトレード学生ネットワーク(FTSN)を設立して初代代表となる。フェアトレードをはじめ、いろんな仕事を経験しながら10年間で33カ国を旅し、ヨーロッパのエコビレッジでの滞在を機に共同体生活に関心を持つ。現在、フェアトレード会社ウィンドファームの直営カフェである「おかげさまカフェimacoco」の企画運営に携わっている。

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