TOYOI6|ユルレポ

ユルレポのタイトルバー

toyo_06.jpg

 先日、コーディネーターの菊池さんにお誘い頂き、東京都北区にある「(たむろ)」のパーティーにもお邪魔しました。物件のエントランスの階段を登ると住人共用のパティオに出迎えられます。ナチュラルなウッドデッキと木製ベンチ、そして緑が溢れる空間はとても心地の良いスペース。それぞれの住居へは、ここから数段上がってアプローチする構造になっています。

 住居に囲われたパティオは住人だけに許された公共空間。ウッドデッキになっているため、そこで過ごしている人の気配が足音でわかります。こうした人の気配は住民の方々をとても落ち着かせてくれるのだといいます。そして必ずこのパティオを通らないと入室できない構造は、住民相互の監視機能が働き防犯効果もありそうです。

 「屯」のパーティーには、ここの住人のみならず、その友人、そして以前そこに住んでいらしたOBの方々も訪れていました。「僕はここの最初の住人だったんだよ」と話す様子は少し誇らしげ。そして「あー○○○さんの後に入った方ね。僕の○○年前だね」とまるで同窓会のような繋がりを見出して楽しんでいます。通常の集合住宅ではなかなか考えられないことですよね。この建物を媒体としたコミュニティが形成され、それがまた人を繋げていく。築19年近く経っているのに関わらず、こうして人の交流が続き、場が活き活きとしているのはとても驚きです。実は、ここは「TOYOI6」をコーディネートした菊池さんの原点でもあるのです。

「接道する南面には住民同士、または周囲の人々を交えた接点となるよう、ささやかな広場を設け、季節を感じる樹木とベンチを設えた。エントランスを抜けると坪庭があり、限られた敷地の中で視覚的な広がりと、憩いの場を提供している。通りかかる人が気軽に立ち寄り、自己完結しない、人と人、人と街を繋げるような建築 〜中略〜 最近では失われつつある「ご近所付き合い」というコミュニティを、それぞれのプライバシーは確立しながら実現することを目指した。さらにデザインのみにとらわれ、使いづらかったり冷たい感じにならないように、親しみや暖かみを感じられる雰囲気を実現した。〜中略〜 入居者同士で情報交換できるように、お知らせボードを設置したり、各部屋へのアプローチはお互いの顔を合わせやすい構造にした。」
引用元:2010年度グッドデザイン賞受賞 集合住宅
TOYOI 6

 コレクティブハウス、多機能高齢者施設などコモンミール、交流スペースを持ち意図的に交流を図ろうとする物件が注目を浴びるようになってきました。でもここには、そうした意図的な仕組みはないものの、互いに顔を合わせた時には挨拶し、こうしたパーティーの時には集まり、そして交流を楽しんでいます。互いにプライベートがありながらもいざという時に集まれる、ゆるい繋がりがここにはあります。

toyo_07.jpg

 ただ決して駅から近いわけでなく、そして家賃もひょっとしたら標準より高めかもしれない(ゴメンナサイ)。でも、空きが出るとすぐに新しい入居者が決まるのだといいます。ゆるい繋がりを意図した設計とこうした住民同士の交流が、数字(徒歩圏内、家賃など)では決して推し量ることのできない人を惹きつける大きな魅力になっているのかもしれません。これまでの不動産価値の概念を覆すかもしれない、そういう新しい価値がここにはあります。

ユルツナクルー イソム

den_tour_01.jpg

ユルレポボタン。クルーが訪問した住宅、施設、コミュニティのレポート
ユルレポ海外のボタン。海外の住居、コミュニティのレポート
ユルツナ大学のボタン。日本の住居、コミュニティを訪問する見学会の案内
ユルツナ実録のボタン。ユルツナクルーが実際にどうやってゆるいつながりの暮らしを作り上げていくかのレポート
ユルツナ見学会のボタン。日本の住居、コミュニティを訪問する見学会の案内


No1.png

No2.jpg

No3.jpg

No4.jpg