私たちの心のふる里
「ブラウンズフィールド」
先日、千葉県いすみ市にある「ブラウンズフィールド」に訪れました。まるで日本の昔の暮らしがそのまま残っているようなところ。ここは、マクロビオティックで有名な料理研究家 中島デコさんと旦那さまのエバレット ブラウンさんが始められたエコビレッジです。そこには田んぼや畑、曲がった小道、古民家、ヤギや多様な生き物たちに囲まれ、昼間は土や草の香りに癒され、夕方にはご飯の炊ける匂いがします。そして、夜は蛙の合唱、翌朝には鳥の声や住んでいるご家族による掃き掃除の音が聞こえてきます。ふる里に帰ってきたようなとても懐かしい気持ちにさせてくれます。
ここにはシェアホーム、カフェ、ゲストハウス、イベントスペースなど様々な施設機能があります。土間のある日本家屋の母屋では7人の家族が暮らしています。ゲストハウスは、もともと土蔵だったところを子供達の個室として改装し、子供達が巣立った後は友人がリラックスして滞在できるゲストハウスとして用途変更していったそうです。家族の成長と変化に合わせて、お家はどんどん変えていくべきですよね。
私たちはつり橋のある高床式のツリーハウスに宿泊しました。吊り橋を誰かが歩く度に揺れてとても愉快。最初は”地震!?”って思ったのですが、揺れるのが次第に可笑しくなってくる不思議な空間。子どもだったらはしゃいじゃって大変でしょうね。何人かの子どもたちが震災募金のフリーマーケットのお誘いに来てくれました。こうして気軽に声をかけ合える関係って懐かしい。カフェにもお邪魔したのですが「ライステラス」といって自然の景色を取り込んだテラスがとても魅力的なところ。もちろん食事もとてもおいしい。
雨水利用、コンポストトイレ、コンポスト、バイオディーゼル、堆肥など積極的に環境にやさしい暮らし方に取り組んでいらっしゃいます。また大根等根菜の固い部分、タマネギや長ネギのヒゲなど、いわゆる野菜くずも捨てずにスープ(“ブロス”というのだそうです)として活用されています。たまねぎの皮も乾燥させて染料として染色家の方にお渡ししたりして、それでも残った食事はコンポストで肥料にします。なんと生ゴミはほぼ0%にしているそうですよ。また、食事の後には「ウエス」といって着古した服やシーツを洗ったものでお皿を拭きます。使い終わったウエスは燃えるゴミとして処分するそうですが、こうした取り組みによって洗剤を使わないようにしているそうです。他にも多様な取り組みが「私たちの取り組み(ブラウンズフィールドHP内)」に紹介されていますので是非覗いてみてください。
宿泊には夕食と朝食が付いているのですが、時間になるとスタッフが「ご飯が出来ましたよ~」と声をかけてくれます。実家にいた頃、母親から同じように呼びかけられたのを思い出します。食事は母屋の大部屋でスタッフの方々と一緒に頂きます。大きなお皿に盛られた色とりどりのおかずが、ドンと食卓に幾つも並べられます。玄米菜食中心の食事はとてもヘルシーでお腹いっぱい食べてももたれないし、そもそも中島デコさん監修なのでとーっても美味しい!そして大人数で食べる食事ってやっぱりいいですよね。宿泊されている小さいお子さんのいる家族とスタッフのお子さん同士で、ちょっとした挨拶から交流がはじまったのですが、それを皆がぼんやり眺めているまったりとした空気感がとっても良い。多世代が一緒にいるのって、やっぱりいいですよね。