歩いて約十分のところには、元健保組合福利厚生施設だった施設を活用したグラウンドがあり、サッカーフィールド、野球場、テニスコート、多目的コート(フットサルなど)、ゴルフ練習場、バーベキュー広場などが用意されています。
居住スペースとしては「スマートヴィレッジ稲毛」という14階建ての住居棟がありますが、“これからのアクティブシニア”に向けた設計として、過度にバリアフリーを感じさせない作りにしているといいます。バス、トイレがまとめられたサニタリー室は、いざ介助が必要になった時でも十分な広さを有しています。トイレは個室を好む方もいますが狭い個室で介助は大変です。トイレとバスの使用があまり重ならない独りや二人暮らしであれば、サニタリー室はスペース利用の有効な手段でしょう。またほとんどの高齢者施設に設置されている“手すり”がここにはありません。必要になった時に付けられるよう壁側に補強はしているそうですが、こうした必要な時にあまりお金をかけずに改修できるという工夫も一つの考え方かもしれません。
廊下は各住居の入り口部分の色を変えて、部屋の位置を分かりやすくしています。部屋のキッチンはシンプルな機能のものになっていますが、これはコモンスペース(クラブハウス)で食事ができることを前提として、あえて部屋の外に出て仲間との交流を楽しんで欲しいという考え方のようです。エレベーターにはペットマークのボタンがついています。押すと各階に“ペット”という文字が点灯する仕組みになっているのですが、ペットが苦手な方への配慮として、”エレベーターの中でペットと一緒にいること”を外に知らせるためのものです。
さてこうした設備面に加えて、生活コストの半減を目指している点も「スマートコミュニティ稲毛」の大きなポイントでしょう。たとえ年金だけの生活になったとしても、食事、趣味娯楽などの費用は削りたくないものです。ここでは1,000人規模のコミュニティを目指し、それによるスケールメリットで食料、設備などモノやサービスのコストダウンを図り、安価で継続して楽しんで生活できることを目指しています。食事は「なだ万」が監修していますが、これもスケールメリットによる成果かもしれません。因に最も安い販売価格としては、初期費用1,489.5万円(33.24㎡の居室所有権+共用スペース利用・入会金等)、毎月89,000円(コミュニティにかかるサービス費+朝/夕食事)とマンションの管理費/修繕積立金が1万円強(2010.5.15時点)という内訳になっています。
また、ここに住む仲間たちはアクティビティを一緒に楽しむのと同時に、夢だった起業やNPOの発足、新しいビジネスなど外部の人との協同を組み入れながら、新しい活動も広がっていくのでしょう。こうしてコミュニティの可能性は際限なく広がっていくわけです。